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それから [オークション]


あれから、一ヵ月、俺は会社にいた。

俺の内線が鳴った。

「受付です。榊原さんに郵便が届いています。」

受付嬢からだ、

「わかったよ。今、取りにいくよ。」

俺が、受付に降りていくと、受付嬢が俺にオークションサイトからの手紙を渡してくれた。

「榊原さん。それって、オークションサイトですよね?」

受付嬢が聞いてきた。

「ん?ちょっとね。」

俺は、取り合わずそれを受取って自分の席に戻った。

内容は、「MrDevilさん出品の手続きが整いました。」




俺は、また、システム課のドアをノックした。

「ちぃぃぃっす。」

いつもと同じ挨拶をした。

「榊原君。最近よく来るねえ。」

相変わらず、2チャンネルの住人課長が薄笑いを浮かべ寄ってきた。

「MSDNのメディア見せて。」

俺は、課長に言い放った。

「MSDNはコピーできないよぉ。」

見透かしてやったぞ。みたいな、不吉な笑顔で、2ちゃんねる課長はニヤ付いている。

「コピーはいいから、見せてくんない。」

俺のいらっとした表情に気がついたのか、課長はMSDNのメディア集を持ってきた。

俺は、その中から、Officeを抜くと、課長ののろい動きをかわして、コピー機に向かった。

「ウィーン」カラーコピーの音。

俺は、MSDNのメディアのカラーコピーを取った。

「あんがと。」

唖然としている、2チャンネル課長にメディアを返すと、部屋を出た。




自分の部屋に戻る途中、俺は歩きながら、自分の携帯の検索画面で、「浅野忠信」を検索した。




終演 [オークション]


俺は、仕事をさっさと済ませ、昨晩おっさんと約束した埠頭に車で向かっていた。

埠頭近くの自販機で、缶コーヒーを2つ買い、約束の10分前に着いた。

春先とはいえ、さすがに週末の埠頭、カップルらしい車が2、3台海の方を向いて止まっていた。

おっさんはまだらしい、俺は、車をカップルたちの車とは離れた場所に留め、海を眺めていた。

ぼーっと、この一か月が走馬灯のように頭をよぎっていく、落札者達のこと、邪魔をしてきたSOS野郎、オークションサイトのサポートの奴、どいつも顔も知らない、話したこともない。そんなことを考えていると、クラクションが、見ればおっさんの黒塗りベンツだった。

おっさんは、おれの横に止め、苦笑いを浮かべながら、

「迷惑をかけたねえ。」

すまなそうに車を降りてきた。

俺は、さっき買った缶コーヒーをおっさんに差し出し、

「お互い様っしょ!」

ちょっと笑って見せた。

「まずは、金っすけど、これが振り込まれた全額っす。そこから、俺が払った送料の総額をまずいただきます。」

俺は、計算書を見せ、送料分の金額をその中から頂いた。

「後は、6,4でいいっすか?」

俺は、おっさんに残りの全額を渡した。

おっさんは、少し困惑したような顔をし、

「榊原君は、これからあのオークション使えなくなるんだよねえ。生活困るだろお?」

初めて、名前で呼びやがった。俺は少し照れくさかったが、

「へっ?俺、あれで食ってないっすよ。サラリーマンっすから。」

「そうなの?」

おっさんは、びっくりしたような顔をした。

俺は、吹き出しそうになるのを我慢し、

「そんなに、俺、胡散臭いすかっ?」

おっさんが噴き出した。

「そっかあ。」

笑いすぎだよおっさん。心の中で思いながら、

「浅野さんこそ、会社無くなったんだし、大丈夫なん?」

言い返してみた。

「わしか?わしは、もう引退じゃ!」

おっさんは、少し寂しそうな顔をした。

「浅野さんさぁ、金困ってないだろう?」

俺は、まえから思っていた疑問を切り出してみた。

「ん?・・・そうじゃよ。息子もおる。身内ももう還暦なんだから、大人しくしろと言ってなぁ。もう、引退じゃ。」

「やっぱなぁ。」

「どうして、わかったんじゃ?」

「浅野さん、楽しそうだったから。」

俺は、笑って見せて、缶コーヒーの蓋をあけ、おっさんに乾杯をするように缶コーヒーを傾けた。

おっさんも、缶コーヒーの蓋をあけ、缶を合わせた。

「わしなぁ、つまらんかったんじゃ。社長になって会社が大きくなって、昔は、いろいろ作戦立てて、闘って負けても、次は勝ってやろうって、我武者羅に新しい物さがしたもんじゃった。」

おっさんは、語り出した、でも、そんな時のなつかしそうな目が妙に爽やかだった。

「そうなんだ。」

俺は、一しきり相槌を続けた。なんか、今日のおっさんの話は素直に聞けた。

「榊原君は、なんで、そんなに協力してくれたんじゃ?」

今度は、おっさんが聞いてきた。

「退屈だったんだよ。」

「ん?」

俺は、他人に言うべきか迷っていたんだが、おっさんならいいかと思い思い切って話してみた。

「俺は、昔、会社の派閥争いって奴に巻き込まれ、仲間にみんな裏切られたことがあって、上司も同僚も全てが敵になった事があって、それで、インターネットの利害の内世界に逃げ込んだんだ。最初は、利害がないから、いろいろ話せて、安心してたんだけど、ある時気が付いた。それが、凄い怖いことだっていう事に、この世界はさぁ、相手が何者なのか全くわからない。だから、責任って全くないんだよ。普段、何も言えない奴が平気で偉そうなこと言ってる。自分で動こうとしない奴がヒーローになったりする。だから、今日いる奴が明日いなくて当たり前、今と一時間後で別人になれたりする。俺が女優だって、誰も疑わない。そんな世界だから、俺は、明日別人になれば困らない。」

おっさんは、目に涙を浮かべていたが、あえて、俺はそこから目をそらした。

「金は、6、4で良いよ。浅野さん。」

俺は、4を受け取る事を主張した。

おっさんは、暫く、金を見ていたが、おもむろに数えだした。

数え終わると、おっさんは、きれいにその金を半分に分け、

「2人で遊んだんじゃから、ほれ、半分。エンジェルキッス君。」

右手で俺に、半分押し付けてきた。

俺は、少し微笑みながら、

「じゃあ、遠慮なく。」

半分を受け取った。

暫く、2人は無言のまま、埠頭の反対側の観覧車の灯りを見ていた。

「じゃあ、行くわ。」

俺は、おっさんに手を振り車に乗り込もうとした。

「エンジェルキッス君、フルネームは何と言うのかね?」

おっさんが聞いてきた。

「榊原聖人!!」

俺は、笑いながら言った。

「おっさんは、浅野忠信!!そういう世界だよ。」

おっさんは笑っていた。

「また何処かで。」

エンジンをかけようとする俺におっさんは言ってきた。

「うん。おっさんもさみーから早く車に乗りな。」

「またな!」

おっさんも車に乗り込んだ。

20も違うおっさんに、友情めいたもを感じていた。

俺が先に車を出した。




翌朝、、俺は、パソコンショップにいた。

マザーボード、ケース、DVDドライブ、俺は昨日おっさんにもらった金で、PCの修理パーツを選んでは、カゴに放り込んでいた。

「後は、Officeか。」

俺は、ソフトウェアーコーナーに行き、Office2007Professional特価!!56000円のパッケージを手にした。しばらく、眺めていたが、それを棚に戻すと、清算カウンターに向かった。

大きな袋に、買ったものを入れショップを出た。車にそれを放り込むと、久々に街を歩いてみた。

昼間、街を歩くはいつ振りだろう。

目の前に、ファッションヘルス「ミクシ―」の看板が、俺は、財布の中のおっさんにもらった残金を確認した。自動ドアが開く、

「おらっしゃいませ、ここで、入店料2000円をお支払いください。」

事務的に胡散臭い、にいちゃんが30CMほどの窓より声をかけてきた。

「可愛い娘いる?」

俺は、明るく聞いた。

「任せてくださいよ。」




波乱 [オークション]

それから2週間、オークションの落札は順調に進んだ。
ジャンクの方も以外に好評で、2万円前後で取引が進んでいた。
ただ、相変わらず、違反者の申告メールは毎日何通も届いていた。
それと、こちらのメールにおかしなメールが届くようになった。

こういう商品は、オークションサイトからすぐに削除されます。
私に、5000円で譲りなさい。

おっさんは、このメールを見て激怒していたが、俺は、おっさんに取り合わないよう諭した。
同様の商品を出品している出品者の評価のページを見せ、この手の荒しがこの出品者につけた評価を見せた。
評価の欄は、出品者では消すことができないので、この出品者は銀行の口座番号と本名をそこに記されていた。
おっさんは、しぶしぶ納得していた。
3回目の出品で初めて、返金を要求された。
この落札者は、取引連絡の際からしつこくこちらの連絡先を聞いてきていた。

ハンドルネームaho●XX▲の村中治夫である。
確かに、入金は早く俺も入金の翌日には、商品を発送していた。
火曜日の午前11時頃、会社で仕事をしていると、俺の携帯が鳴った。
着信はおっさんからである。平日めったに電話してこないので俺も不審に思い、自分の席を立ち、オフィースを出て灰皿の前でたばこに火をつけるとおっさの電話に出た。
「エンジェルキッス君、大変じゃ。荒らしが出たぞ!!」
俺は、たばこを落としそうになりながら、
「荒らしっすか?」
「長野の田舎もんじゃあ!上田の田舎もんがぁ。」
おっさんは、興奮と怒りでてんぱっていた。
「評価っすか?」
「連絡掲示板も評価もじゃ!」
「わかりました。確認すっから、落ち着いてください。」
俺は、おっさんを諭すと電話を切り、自分の席に戻り、オークションページにログインした。
連絡掲示板には、朝から10件、「金返せ!!」連絡。さらに、評価のページには、「不正キーでインストールできませんでしたので返金願います。」とのコメントが載っていた。
俺は、冷静に連絡ページに
「オークションのページに不審だと思われた方は、メールをくださいと注意書きをしておいたと思います。
また、商品の性格上ノークレームノーリターンでとお願いしてあるはずですが。」
と返答し、評価コメントの返信には、
「今、連絡掲示板でご返答しました。」
とコメントを残した。
この村中治夫は、10時からほぼ10分おきにクレームを投げていたようだ。相当ひまな奴だなあ。俺は、うんざりしながらしばらくオークションページを見ていた。5分もしないうちに
「こちらは、正規品として購入したのにMicrosoftにて正規品と判断できないものを販売するのは違法だ。返金してください。」
と返答が返ってきた。俺は、この手の奴の相手をするのがうっとうしかったので、
「わかりました、返金しますので、振込口座を教えてください。」
と返した。また、2分もしないうちに、
「いつ返金してくれるのですか?」
との催促と、口座番号が返ってきた。
「本日、返金しますので、明日の朝一でご確認できます。」
と返すと、
「今から返金していただければ、本日中に確認できるでしょ!」
との返答。こいつこそ、平日に仕事もしねえで暇な奴だ。俺は、呆れたのでこれ以上の相手はやめた。
もう一度、灰皿の前に行き、たばこに火をつけるとおっさんに電話をし、顛末を報告した。

席に戻り、ひと段落していると、俺の右半身が熱くなり、なんか臭い。ふと、目をやるとブースカがせんべいを咥えて立っていた。
「榊原くぅん。お盛んだねえ。」
ブースカは、したり顔でニヤ付きながら声をかけてきた。気持ちわりーので無視していると、
「この間、キャバクラに行ったでしょぉ?」
ブースカは、知っているんだぞ顔になり聞いてきた。
「今度は、何処の店の娘?それとも、風俗の女?」
ブースカは勝ち誇ったように続けてくる。
「榊原君って、素行悪いよねぇ。」
いつまで、しゃべってるつもりだ!!俺はだんだんイライラしてきたので、ブースカをにらみつけると
「それが?どうかしたん?」
大きな声で聞いてやった。
「それがって・・・」
ブースカは口ごもった。
「俺さぁ、お前らみたいなのと飲むのが嫌だからキャバクラ行くし、30超えてて素行がわりーもねえだろ。」
俺は、まくし立てた。
「そんなに、うらやましきゃ自分もいきゃーいいじゃん!!そういうの、デブの・・いや、下種の勘繰りっていうんだよ。」
ブースカの顔が真っ赤になり、黙ってしまった。すると、向こうからガイコツがやってきた。
「君は知らないかも知れないが、そういう君たちの会社での素行を調査するため、あそこに監視カメラをつけたんだよ。」
ガイコツはにやにやしている。陰険な金縁眼鏡の縁が光った。
「僕たち管理職は、君たちの仕事を監視しているからねぇ。」
俺は、呆れて相手をするのが嫌になったので、
「監視したきゃ、勝手にすれば、俺はやましいことはないっすからねぇ。あっ、飯だ!!」
ガイコツは、監視カメラで俺をビビらせようとしたらしく、俺の反応が予想に反していたため、口を開けたまま次の反応ができないでいた。
俺は、固まった二人の脇を抜け食事に行こうと席を立った。
「君が会社で見ているインターネットも監視しているから・・・」
ガイコツが負け惜しみを叫んでいた。
「ご勝手に!!」
俺は、オフィースのドアを開けた。

全く、今日は1日何なのだろう。妙な疲れを感じながら定時に会社を退社し帰宅した。





第二段 [オークション]

そうやって、オークションの入金回収と商品発送がすべて水曜日に終わった。
俺は、次回の出品に悩んでいた。
おっさんのライセンスの残りは後5個、それ以外は未だ話がついていないためインストールし使用できるが、正規品として認識されないため、アップデート、ユーザ登録、そして正規品として表示されない。
かといって、正規品にいずれなるという話もまだわからないため、オークションには載せられない。
んーっ。そっか、ボリュームライセンスの他の魅力は複数台インストール可能ってことか。
俺は、これしかないと思い立ち、複数台インストールを武器にし、薄利多売で行く事に決めた。

金曜日午後8時、俺とおっさんは例によっておっさんの元部屋に集合していた。
先ほど、考え付いた考えをおっさんに説明し、落札金額が1万前後になるんじゃないかと付け加えた。
おっさんもその考えには納得したようだった。
まずは、正規品の5ライセンスを第二段と銘打って出品した。

次に、まだ話の付いていない方の出品だが、日曜日の正午に終了するように10個、日曜日の21時に終了するよう10個と2パターン出品することにした。

★☆Office2007Proジャンク(複数インストール版)①☆★
商品説明ご覧いただきありがとうございます。
Office2007Professionalのジャンク品になります。
まず、正規CDを添付できません。
インストール用のCDはお付けしますが、
正規品ではありません。
ライセンス認証は可能です。
継続してご使用いただけます。
複数台にインストール可能です。

[インストールされるアプリケーション]
WORD2007
EXCEL2007
POWERPOINT2007
ACCESS2007
OUTLOOK2007
INFOPATH2007

尚、ご入札される前にこちらに連絡ください。
詳しい事情を説明いたします。
ご質問等もこちらに連絡いただけると幸いです。
ここではお答えしづらいご質問が多いため、
不振に思われた方はご一報ください。
尚、商品の性質上ノークレームノーリターンで
お願いします。
この案内は出品支援ツール ■@即売くん3.63■ で作成されています。



俺は、フリーメールのページをひらくと、「こちら」用のメールアドレスを取得し、メールのWeb閲覧用のページをおっさんのパソコンのお気に入りに追加し、メモ帳を起動し、ログインとパスワードをメール.txtとしておっさんのディスクトップに保存し、質問の回答用にメモ帳で、

ご質問ありがとうございます。
この商品は、昨年倒産したとある企業より回収したボリュームライセンスになります。
ですから、複数台にインストール可能です。
ただし、Microsoftの管理者メールと管理コードを無くしてしまっています。
現在、代理店と交渉中なのですが、難航していて、いつ正規品になるかは不明です。
Microsoftのページでは、正規品と認められません。
しかし、ライセンス認証はでき、継続的に使用できます。
機能は、正規品となんら変わりありません。
また、ユーザ登録、アップデートはできません。
こんなもので良ければ、ご入札してください。
ご落札後のクレームは受けかねます。
よろしくお願いします。

を理由.txtとして作成し、おっさんのパソコンのディスクトップに保存した。
フリーメールのWEB閲覧の方法をおっさんに説明し、メール.txtと連絡.txtを自分のUSBメモリーに保存した。
3件の出品作業が完了すると、おっさんが用があるから帰ると言い出した。
俺は、商品を作ってから帰りたいので、先に帰ってもらう事にした。

商品の製作も終わり、時間は午後11時を回ったところだった。
俺は、おっさんの元会社の電気を全て消し、施錠を完了すると今回の商品を入れた袋を持っておっさんの元会社の駐車場に止めておいた俺の車に詰め込み車を出そうとした。
すると、出口に2代の外車のヘッドランプがつき、車の中から何人かが出てきた。
やべぇのか?俺は、不審に思ったが出口をふさがれているため、やむ負えず車を降りた。
一台がベンツでもう一台はジャガーだった。
ジャガーって?なんでこの国でこんなに燃費の悪い車いの乗りたがるのかねぇ。
俺は、別のことにあきれていた。

男たちは6人いた、真ん中の二人が声をかけてきた。
二人ともプラダのスーツで身を包み、髪がポマードでべっとり決められていた。

「君は何をしているんだ。」
「浅野さんに頼まれて、整理に来てるんっすけど。」
俺は、やましいことがないので前におっさんに言われていた通りに答えた。
二人のうち、背の高い方が、
「君かぁ。。。」
いぶかしそうに俺をみながら、何か言いたげだった。
すると、せの小さい方が、
「ちっ。」
舌打ちをした。
「車をどけてやれ。」
ベンツとジャガーが道を開けた。
俺は、
「どうもぉ。」
窓から手振りおっさんの元会社を出て行った。
なんかやべぇのかなぁ?。俺は思ったが、まいいっか、関係ねぇしっ。
すぐに思い直し、その時はそんなに気にもしなかった。



妖怪たち [オークション]

月曜日から、俺は、オークション落札者との連絡掲示板による連絡、銀行への入金確認、商品の発送とわりと忙しく過ごしていた。
当然、会社のデスクでも、手が空くとオークションサイト、銀行サイトと覗いていた。
そんな時、ふと、視線を感じた。
すると、こちらを妖怪部隊の怪獣ブースカがこちらを見ていた。
妖怪部隊とは、会社にいる事務部隊のことである。
俺達、直販部隊とは異なり、俺たちの部署の雑務を行う部隊のことであり、昔、ひと悶着あったことがあり、俺とは犬猿の仲である。
桑野という課長を筆頭に、2チャンネル住人一派である。例のシステム部とも仲が良いため俺はこう呼んでいる。
桑野っていう課長は、昔、黄金バットに出てきた宿敵暗闇バットにそっくりで、金縁のいやらしいメガネをかけていることから、俺は、「ガイコツ」と呼んでいる。
怪獣ブースカっていうのは、下野っていう最近入社してきたデブで、いつも何か食べている。そのせいか、分厚い唇がいつも濡れていて、しゃべると唾が飛ぶ。そのうえ、いつも汚い毛糸のチョッキを着ているのだが立ち上がると腹の上にまくれ上がる。
後二人いる、一人がやたら背が高いのだが、日和見でいつも立場の強い奴の味方になる。仕事はとんでもなく出来なく、いつも他人(上司)の目を気にして、ビクビクしている堂見っていう名前の奴で、俺は、こいつを「にょろにょろ」と呼んでいる。
もう一人は、会社では、ほとんど口を利かないのだが、見た目は妖怪人間のベロのように痩せていて小さいのだが、手が長い。そして顔なのだが、黒縁めがねをしていて、竹中直人がまねする、遠藤周作にそっくりである。名前は???忘れた。こいつのことは、妖怪人間と呼んでいる。
この4人、とにかに自分のことは棚に上げ、他人のやることを中傷するのが大好きな連中である。
直接言うのであれば、まだたちがよいのであるが、部長に告げ口をするという最悪な連中なのである。
俺の場合、部長が見放しているから問題はないのだが、ただし仕事だけは誰にも負けないようにこなすため、たいていの事は、「やりたいようにやらせておけ!」と言っているらしく被害は少ない。
ブースカが寄ってきた。
「榊原くぅん。会社のインターネットで私用をするのは、よくないよぉ。」
また、唾が飛んだ。
「この間、俺にはかかわるな!って言わなかったっけ!」
俺は、睨みつけて低い声で言い放った。
ブースカは少しひるんだが、ニヤニヤしながら、
「そんなこと、言ってると誰も相手してくれなくなるよぉ。」
右手を見ると、ポテチを食っていたのか、指先がテカテカになっている。
「それが、望みなんだけど!!」
俺は、今度は大きな声で叫んでやった。
ブースカがポカンとした顔をしているので、もう一度、
「聞こえないのかよ!俺は、誰にも相手にされなくなるのが目的なんだよ!特にお前らにはかかわってほしくないんだ!!」
さっきより、大きな声で言ってやると、静かだったフロワーがザワザワ仕出し、皆がこちらの様子を覗き見だした。
ブースカのチームから、ニョロニョロがこっちを見ている。
ブースカは、やっと周りの状況に気が付き、理解できないという顔で俺を見て、頭をかきながら自分の席に戻って、するめを食いちぎっていた。
邪魔者を片付けた俺は、銀行サイトで本日の入金額と入金者を確認すると、会社のメールから、自宅のメールにその状況をメールにして出し、定時までに仕事を片付けると、さっさと帰ろうとドアを開けようとした。
「あ~あっ、今日も21時くらいまではざんぎょうだなぁ。」
こっちを横目に見ながら、ニョロニョロが叫んだ。
「その時間までいるって決まっている残業ってなんだぁ?」
俺は、わざと聞いてやった。
ニョロニョロは、聞いてくるとは思っていなかったらしく、モニター画面を直視したまま固まっていた。
「生活残業ってことぉ?俺は、仕事終わったら、さっさと帰る主義だから!」
ガイコツ課長が立ち上がりかかったが、無視し俺はその妖怪部隊を一瞥し、ドアを開け出て行った。

初収入 [オークション]

翌日の日曜日、俺は11時頃目が覚めると、早速、自宅のコンピュータでオークションサイトに接続し、昨日出品したOfficeの入札状況を確認した。
入札総数 35件
現在の金額 15000円
ウォッチリストに登録した人数 53人
まあまあか、俺はそう思うと徐にメールチェックに入った。
オークションサイトより
「違反者の申告がありました。」
のメールが5件届いていた。
全く、自分の身分も知らせずに、勝手に他人のオークションの干渉するなんて、全く呆れてしまう。
どうせ、ばったもんとかを売っている業者の嫌がらせだろう。そう思いながら、部屋を出て、御勝手場に下りて行った。
コーヒーを飲もうとお湯を沸かしていると、
「最近、帰りが遅いけど仕事忙しいの?」
俺のお袋である。
「別に。遊んでるだけだよ。」
俺は、さっさとコーヒーを注ぎ、お袋の話を切った。ここから、始まるお話はいつも一緒なので聞きたくはなかった。

午後8時、俺は、おっさんと一緒におっさの元会社のおっさんの部屋にいた。
おっさんおコンピュータでオークションサイトに接続し、入札状況を確認した。
おっさんは少し興奮気味で、食い入るようにその画面を見つめていた。
「二万二千円かぁ。あんまり、高く売れんもんじゃのぉ。」
おっさんは、画面の入札金額をみて少しがっかりしていた。
「これからだよ。」
俺は、余裕をかましながら、5個分の商品の袋詰めをしていた。
今回の落札分の商品の梱包が終わり、おっさんと俺はこれと言って会話もないまま、午後九時を迎えようとしていた。
「そろそろ、はじまるよ。」
俺は、画面を指差しおっさんに言った。
「なにがじゃ?」
おっさんは、不思議そうに聞いてきた。
「値上がりだよ。」
俺は、おっさんに、様子を見ている落札者が、オークション終了時間近くから、入札をしてくるため、落札金額が上がっていく事を説明した。
「そうなのかぁ?」
おっさんは、不思議そうに俺に聞いてきた。
「こうやって、入札しだいで金額の決まるオークションは、早く値を釣り上げると終了金額がとんでもなくなるじゃん。だから、本当に欲しい奴は、終了時間の10分前後に入札してくるんだよ。」
俺は、買い手の心理をおっさんに説明し、終了時刻の10分以内に入札があると、終了時刻がそこから10分のbることも説明した。
オークションの終了時刻の7分前になった、俺は、インターネットエクスプローラのリロードボタンを押した。
価格は二万八千五百円、終了まで後10分と画面が変わった。
「おおっ!?」
おっさんの興奮が高まった。
「まだまだ、行くよ。」
俺は、ニヤ付きながらおっさんの顔を見た。
結局、この日オークションが終了したのは、終了時刻を大幅に超え、午後10前後になった。
最終的には、三万一千五百円で落札された。
「これくらいで良い?」
俺は、おっさんに向かって聞いた。
「おお!!」
おっさんは、いつ間に勝ってきたのかホットの缶コーヒーを俺に差しだいながら、興奮で赤い顔をしていた。
俺とおっさんは、コーヒーで乾杯すると、ハイタッチをした。
「金どうする?」
俺は、落札金額のことをおっさんに訪ねてみた。
「一か月まとめて出よいよ。」
おっさんは、俺を信用してるのか?俺は、不思議に思ったが毎回だと面倒なため了解した。
俺が逃げたらどうするんだろう?ちょっと、不思議だった。
俺が、今回の商品5個分を持って去ろうとすると、
「エンジェルキッス君。これ。」
おっさんは、俺に鍵を差し出した。俺が不思議そうな顔をすると、
「このビルのこのフロワーの鍵じゃよ。商品とオークションとかで使いたいときはすきに使ってくれ!」
この人、とんでもない善人なのか?俺は、神経を疑ったが、取りあえず預かることにした。


出品 [オークション]

次に、オークションへの出品のため、おっさんのコンピュータでインターネットにつなぎ、[窓の杜]のページを検索。
[@即売くん]をダウンロードした。
おっさんは、わけのわからんといった顔をしながら俺の作業を見ていた。
俺は、たばこに火をつけると、まず、おっさん名義の10ライセンス分の出品ページを作りだした。

★☆Office 2007 professional 訳あり品送料込み①☆★
★☆Office 2007 professional 訳あり品送料込み①☆★
商品説明ご覧いただきありがとうございます。
Microsoft Office 2007 Professionalの訳あり品です。
もちろん、正規品です。
ライセンス認証、ユーザ登録、アップデート可能です。
ただし、正規のインストールCDがありません。
インストール用Dislは添付しますが、正規品のコピーとなります。
商品は、プロダクトキーとコピーCDとなります。
送料込みです。
よろしくお願いします。
この案内は出品支援ツール ■@即売くん3.63■ で作成されています。



まずは、出品フォームが完成した。
次は、出品数である。
俺はおっさんに、
「まずは、5個くらいにしようか?」
と聞いた。
「10個あるんじゃから、10個にしたらええじゃないか?」
おっさんは、不思議そうに聞いてきた。
俺は、おっさんに一度に沢山出すと、価格が割れてしまう事を説明し、まずは、5個くらいで市場価格を調査する事を説明した。
「ほっほぉ。」
おっさんは嬉しそうに感心していた。
「そんでさぁ。出品の期間なんだけど、できるだけ週末にして、日曜日中に終わるように設定しよう。」
おっさんは、また不思議そうな顔をし、
「なんでそんな面倒なことをするんじゃ?」
また聞いてきた。
俺は、この手の商品はオークションサイトの違反商品とみなされる可能性があるため、オークションサイトの巡回監視の手薄な週末に毎回出品する事を説明した。
「ほっほっほぉ。」
おっさんは、また感心しだんだんカーネルサンダースのような相槌になってきた。
「最後に、開始価格だけど、」
「開始価格?」
「オークション開始の価格のことだよ。千円にしよう。」
これには、おっさんは、目を向いた。
「ライセンスは一個5万くらいるんじゃろ?すくなくとも2万5千円くらいにせんと。。」
俺は、開始価格が高いと入札者が寄り付かないこと、入札者は競り合う事にゲーム感覚があり楽しむから、最終的にはいい金額で折り合いがつく事を説明し、なんとか納得させた。
「もう一つよいかのう。なんで、送料込みなんじゃ?送料分そんするじゃないかのぉ。」
そこも来たか、俺は、丁寧におっさんに説明した。
「オークションの場合、送料って結構大きいのよ、それをこっちが持ってやる事で、落札者は用意する金額がきまるっしょ?
そんでさぁ、送料タダってことは、振込みも、やり取りも早く済むじゃんねぇ。落札した金額だけ払えばいいんだし、そんで、宅急便をつかって伝票番号を伝えちゃえば、よけいなトラブル無くなるっしょ?」
「ほっほっほっほぉ。」
おっさんは、さっきよりも多く感心していた。
こうして、方針が決定した俺たちは、おっさんのパソコンで、俺のオークションサイトのページに、オークションの細かい設定をおっさんの前でし、いざ出品!!
おっさんと俺は、オークションのページで自分たちの出品物を確認し、初めて握手をした。
「これで、明日の夜確認すればよいんじゃのぉ。」
ひと段落したという顔をしているおっさんを尻目に、俺は、おっさんのコンピュータでメモ帳をきどうすると、オークションサイトの俺のユーザ名とパスワードを記載し、オークションユーザ.txtでディスクトップに保存した。
次に、再度、メモ帳を起動すると、



はじめまして。
出品者のangelkissこと榊原と申します。
このたびはご落札誠にありがとうございます。
短い間ですがお取引終了までよろしくお願いいたします。

早速ですが、お取引についてご説明いたします。
今回の商品は、送料込で設定してありますので、ご落札金額のみ、下記
のどちらかでお支払いください。

1.銀行振込み
  お振込口座
  〇X▲◆銀行
  ****支店 
  普通預金 *******

2.かんたん決済

振り込み手数料または、決済手数料はご負担ください。

また、下記のフォームをコピーしご返事をください。

***************************************

◎連絡・発送先ご住所 〒
◎お名前
◎お電話番号
◎お支払方法 銀行振込み・かんたん決済
◎お振込み名義人 (お振込み名義人が異なる場合は記載願います。)
◎お振込み予定日

********************************************

それでは、ご連絡をお待ちしておりますので、
よろしくお願いいたします。

尚、ご入金後連絡をいただければ発送が早くなります。

を作り、取引連絡.txtとして保存した。
おっさんは、また不思議そうな顔をしているので、おっさんがオークションの管理ができるように、オークションにアクセスする時にユーザ.txtのIDとパスワードでログインする事、オークション終了時には、取引連絡.txtをコピーし、落札者のハンドルネームを様の前にコピーし、連絡掲示板にコピー&ペーストすればよいことを説明した。
「ほっほっほっほっほぉ。」
わざとやってるだろおっさん!!俺は心の中で思ったが、つい帰りにケンタッキーを買ってしまった。


商品制作 [オークション]

土曜日11時、おっさんの会社で落ち合った俺とおっさんはおっさんの元社長室に向かった。
社長室に入ると、みかん箱くらいの段ボールが2箱。
「浅野さん、これは?」
「クッション封筒、メディアケースがそれぞれ50づつじゃよ。それと、これがCD100枚。」
おっさんは、笑いながらその横にある買い物袋を指差した。
準備早ええなあと思いながら、やけにおっさんが楽しそうに見えた。
俺は、一通り、物を確認した。
「これだけ準備が揃っているんだったら、商品からつくろっか?」
おっさんに確認した。
「おおっ。どうするんじゃ?」
「まずは、CDのレーベルが焼けるプリンターとインターネットがつなげるコンピュータを準備しないと。」
「それなら、良いものがあるぞ。」
おっさんは、俺を、営業課と札のある部屋に連れて行った。
そこには、キャノンのMP8300があった。
「こりゃあのお、営業の若い衆がお勧めじゃと、直訴してきおってなあ。」
おっさんは、懐かしそうにそのインクジェット複合機をながめていた。
おっさんの回想に付き合ってるのは、時間がもったいないと思った俺は、
「インターネットは使えるの?」
急いだ口調でおっさんに尋ねた。
「おおっ。わしの部屋は大丈夫じゃ。」
俺とおっさんは、MP8300をおっさんの部屋に運んだ。
おっさんのパソコンを立ち上げ、キャノンのホームページより、プリンタードライバーをダウンロード接続はUSBで行った。
「さてと、」
俺はUSBメモリーをおっさんのパソコンに差し。CDレーベル印刷用のソフトをインストールした。
インストールしたソフトを起動し、
「これからさぁ、商品を作るよ。」
俺は、CD前面に記述するデザインをそのソフトで行い、CDパレットに新しいCDを乗せプリンターにセットした。ソフトの[印刷]ボタンを押し、プリンターが動く、印刷が終わり前面に「Micorosoft Office2007Professional」と記述されたCDがプリンターから出てきた。
おっさんは、一言もいわず、ただ、唖然としてこの作業を見ていた。
「こんなもんで、いいっすかねえ?」
俺は、おっさんに訪ねる。
「おっ、おお、こんなもんじゃないかのお。」
おっさんは訳も分からず、頷いた。


準備 [オークション]

次の日曜日、昼過ぎに起きた俺は、早速昨日のことをおっさんに連絡。
「榊原っすけど。」
「おお!!エンジェルキッス君。」
エンジェルキッス言うな!!心の中でそう怒りつつ、
「やっぱ、昨日のライセンス全部駄目そうっすよ。」
冷たく言い放ってやった!
「それなんじゃがのう、昨日、あの後、事務機の卸の社長と話ができて何とかなるかもしれんぞ!!」
嬉しそうに話すおっさん。最初からそうすりゃーいいじゃん!!と思いつつも、
「どういう事っすか?」
「代理店から買ったのが、事務機屋だから、そこから話が出来るかも知れん。来週の木曜なんじゃが君も来てくれんか?」
はぁ?木曜って、俺仕事あんだけど。。。俺は返答に困った。
「何時からっすか?」
「15時に一緒に代理店に行く事になっておる。」
なっておるって、まいっか、乗りかかった船だし、有給休暇もろくすっぽ取ってないし。
というわけで、俺は、さっさと有給届を出し、木曜日、おっさんと、妙に目の笑わない愛そう笑いをする事務機屋の営業と一緒に、代理店へ、

「法人営業の亀山です。」
恰好だけは一人前の、見た目だけ営業野郎が出てきた。
「浅野様、箕浦様(事務機屋の営業)より、お話は伺いました。」
「こちらをご覧ください。」
一枚の紙を渡される。その紙には、俺の調べたプロダクトキーが並べられ、所有者(おっさんの前の会社)と管理者らしい名前が書いてあった。10個あるリストの中で、一つだけ、おっさんの名前が、その格好つけ営業は続ける。
「うちとしましても、何とかしたいのは山々なんですが、Microsoftとの契約上、管理者の方か、管理コードが存在しませんと、Micorsoftの方へ修正がききません**********」
まあ、要約すると、管理者メールとパスワードで管理されているため、その取扱についてはそれが優先される。名義変更等するにも、会社が存在せす、管理者本人と連絡取れないと何ともならないとの事。
「そうなんですかぁ。」おいおい、おっさんそんなとこで納得すんなよ。
見かねた俺が、とうとう口を出した。
「でもさあ、不動産でも所有権の移転ってあるわけだし、元代表者がいれば、何とかなんないの?商法にそんなん違反すんじゃないの?浅野さん、裁判起こして、慰謝料でもとろうよ。」
みるみる、余裕の笑いをしていた、格好つけ営業の顔が赤くなってきた。
「あ、あなたはなんなんですか?」
声が上ずりやがった。
「俺?付添。」
俺は余裕の笑いを見せ。心の中で勝った!!っていう優越感に浸っていた。

結局、その日の話し合いで、おっさんが管理者になっていた30ライセンスの残り10ライセンスについては、使用できるようになる事が判明した。
残りは、そういう権利移転の書類が作れるか、Microsoftの代理店で検討するという事で話が終わった。

帰りの車の中、おっさんが、事務機屋の営業に、メディアケースとクッション封筒を500発注しようとしていたので、俺が、50になんとか変更させた。
さすがというか、抜け目ないというか、攻めはさすが元社長と感心させられた。

販売については、オークション慣れ?しているという事で俺が作戦を立てることになった。
とりあえず、土曜日11時、おっさんの元会社で、おっさんとこれからの展開を決めることとなった。


調査 [オークション]

翌日の土曜日、12時、俺は、おっさんの言っていた住所に車で向かった。
着くと、そこには黒塗りのベンツが。
このベンツ売りゃー良いじゃん!!俺は、心の中でそう叫びながら、おっさんと一緒に事務所の中に、潰れた会社ってのはこんなになるのかというほど、散らかり放題!!
取りあえず、総務課の部屋に入り、総務課長の机を漁るが、それらしい物は何もなし、社内で使用していたメールも年末に全部止めたとの事。
「浅野さん。無理っすよ!」
俺は、半ば諦めかけていた、
「そうだなあ、エンジェルキッス君。」
榊原って呼べ!!心の中でそう思いながら、おっさんが使っていた社長室へ移動。
俺の目の前に、ディスクトップのPCが、
「浅野さん、これ電源入ります?」
「入るよ。」
しばらくすると、そのPCの画面が立ち上がった。WindowsVistaUltimate???そういうとこ節約すりゃー会社ももったろうに。。。俺は、そんなこと思いながら、
「ちっと、触らしてもらっていいっすか?」
「良いよ。」
「えーっと、全てのプログラムから。。。ありゃっ!?
浅野さん、。この、Officeのボリューム?」
「えーっと、確かそうじゃと思うが。。。」
「ちっと、待って。」
俺は、持ってきたUSBメモリをPCにさすと、プロダクトキー調査を始めた。
「出た!」プロダクトキーが見つかった。
それから、俺と、おっさんは、事務所内のパソコン全てを立ち上げ、プロダクトキーを採集した。
結局、総務課長ってのが、やりたい放題で、部署ごとにボリュームライセンスを導入していたらしく。
見つかったボリュームライセンスは、10個にいたった。
家に帰り、家のパソコンで早速、インストールを開始。
結局、どのプロダクトキーもインストールはできるが、正規品とは認められなかった。


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